ただ町を歩くだけでは見逃してしまいがちな、ものづくりの技、黒石の時代を物語る資料展示、昔から残る歴史深い建物など、まちかどの小さな個性をピックアップして、博物館に見立ててご紹介しています。 歴史や文化、黒石ならではの甘味など、ご友人や知人の方を案内しながら、まち独自の魅力に触れてみませんか?
まち歩きの拠点として
松の湯交流館
屋根を突き抜けた、樹齢約350年の松の木が印象的な元銭湯です。銭湯としての役割は終えましたが、地域の人々の交流の場という役割を継承し“観光”・“コミュニティ”・“地域防災”の拠点松の湯交流館として生まれ変わりました。銭湯であった当時の、貴重品入れや体重計、脱衣かごがにぎわいを見せたおもかげを連想させます。
浴槽や番台など元銭湯の意匠をそのまま残した黒石インフォメーションで黒石市の観光情報を入手して、まちを散策してみてはいかがですか。
(Wi-Fi接続可能)
館長 | 今井秋行 |
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開館時間 | 9:30~18:00 |
閉館日 | 年末年始 |
老舗の甘味処を巡る
うめぼし菓子伝承館
明治時代から四代、100年以上の歴史を持つ老舗の和菓子屋。店頭に大きく飾られた檜の看板は、大正4年10月、大正天皇が黒石町を訪問された際に宮内省御買上の御光栄を賜ることを歓迎して作られたものです。津軽の梅干しに似ていることから命名された銘菓 干梅(ほしうめ)は、とろけるような白あんと求肥(ぎゅうひ)を県産赤じそで包み、注文後、丁寧に砂糖をまぶし完成させる上品な味わい。塩味のきいた最中、上品な味わいの羊かんなど、商品はすべて店内で手作りの為、ここでしか手に入らないものばかりです。
正式名称 | 松葉堂まつむら |
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館長 | 松村久美子 |
開館時間 | 8:00~19:00 |
閉館日 | 原則無休 |
餅の伝承館
鏡餅、のし餅、彼岸の団子、おはぎなど、日本文化には欠かせない餅。津軽では宵宮になると本家に親戚を呼んで飲み食いをさせる習慣があり、時代の流れとともにその代わりとして餅を配るようになる等、餅との関わりは深いものがありました。江戸時代から続く老舗のお店、寺山餅店は人気商品の抹茶くりぃむ大福や黒石やきそば大福のほか、昔から津軽地方でおやつとして食べられていた四半餅(しはもち)を作り続け、今も絶やさず昔からの餅文化を守っています。
正式名称 | 寺山餅店 |
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館長 | 寺山正幸 |
開館時間 | 8:00~19:00 |
閉館日 | 原則無休 |
串だんご館
現店主が横浜市で菓子修行を終え、昭和39年(1964年)に横浜屋として創業。だんご一つひとつがくっついていないのは、成形器を使わず丁寧に一個一個を串に刺して作られた証です。あん・みたらし・ゴマ、3つの味の“串だんご”、可愛らしい“こけしだんご”など、ほかでは味わえない誠実なおいしさがあります。防腐剤や添加物などを一切使用していないのもおいしさの秘訣。横浜屋の商品は必ずその日のうちにご賞味ください。
正式名称 | 横浜屋 |
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館長 | 工藤秀四 |
開館時間 | 8:00~18:00 |
閉館日 | 原則無休 |
沖野のもちふるさと館
戦後まもなく、惣菜屋として創業。今では、お餅やいなり寿司、おはぎを作る専門店として暖簾を守っています。手作りにこだわり、米やあんこは添加物を一切加えず作っています。粒あんの大ぶりなおはぎや津軽独特のピンク色で甘いご飯を包んだいなり寿司は、連日売り切れてしまうほどの人気です。
正式名称 | 沖野もち店 |
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館長 | 沖野つや子 |
開館時間 | 8:00~品物がなくなり次第閉館 |
閉館日 | 月曜日 |
ストキャン氷菓館
須藤のアイスキャンディー、略して“ストキャン”と呼ばれ、学校の近くということもあり、学生や地元人から愛されているアイス屋さんです。創業から60年以上、地下から汲み上げる八甲田の伏流水で作られる製法と手づくりのやさしい味を守り続けています。あずきアイスは、特におすすめの人気商品で、煮汁を固めた中に、形を残したあずきが入っているため、本来の豆の味と食感が楽しめます。
正式名称 | 須藤冷菓店 |
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館長 | 須藤文子 |
開館時間 | 11:00~18:00 |
閉館日 | 不定休、冬期休業 |
伏流水の美味しさを知る
小見泉こみせ駅
中町こみせ通りにある物産販売所で、観光情報や黒石ならではのお土産品が揃っています。奥の広場には南八甲田山系からの伏流水が湧き出る井戸“小見泉”があり、そこから湧き出るミネラルたっぷりの水は、お茶や炊飯のために近隣から毎日汲みに来るほどの人気があります。また広場の一角にある土蔵“音蔵こみせん”は、宴会やコンサートなどさまざまなイベント会場として活用されています。
正式名称 | 津軽こみせ駅 |
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館長 | 船水正嗣 |
開館時間 | 9:00~17:00 |
閉館日 | 1月1日 |
文四郎酒蔵館
創業文化三年(1806)老舗の造り酒屋で、良質の米と酵母、南八甲田山系の伏流水でこだわりの酒造りをしています。創業以来当主は“文四郎”を名乗り、現在は六代目となります。冬場の酒造時期中以外は酒蔵見学が可能で、蔵の中にはその時代に使われていた桶や麹蓋などが密かに佇み、綿々と続く歴史を感じることができる他、客間から見る庭園も見所の一つです。明治時代に築庭された庭園は、幕末から明治にかけて津軽地方に広まった大石武学流の様式で、国の登録記念物となっています。
正式名称 | 鳴海醸造店 |
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館長 | 鳴海文四郎 |
開館時間 | 8:00~17:00 |
閉館日 | 不定休 |
歴史的資料・展示物を巡る
こみせ美術館
西谷家住宅は大正2年(1913年)、弘前にある造り酒屋の建物を譲り受け、移転して現在の地に建てられ、昭和40年代頃までは呉服屋を営んでいました。こみせ側の板塀が上下に開くシャッターのような構造になっていたり、土間や二階の格子窓、玄関近くにある来訪者を覗く小窓などから、当時の生活をうかがい知ることができます。
現在は、古いこけしやねぷた絵、民具などの他、代々使われてきた年代物の食器や調度品などを美術館として展示していて、開館時間であれば自由に見学ができます。
正式名称 | 西谷家住宅 |
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館長 | 西谷せつ |
開館時間 | ― |
閉館日 | ― |
昭和歌謡博物館
黒石は古くから文化の発祥地と言われ、多くの文化人を輩出してきました。
特に音楽では上原げんと、上原賢六、上原隆治の三兄弟を始め、山田栄一、明本京静など全国的に活躍した作曲家とゆかりがあります。美空ひばり“港町十三番地”を作曲した上原げんと、石原裕次郎“俺は待ってるぜ”を作曲した上原賢六など、昭和歌謡を代表する歌を世に送り出した作曲家にまつわる数々の資料が、こみせ通り かぐじ広場の通路入口を挟んで向かい側にある、土蔵を再利用した博物館の中に収められています。
正式名称 | 黒石ゆかりの作曲家私設資料館 |
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館長 | 村上信吾 |
開館時間 | 11:00~15:00 (土・日・祝日・祭期間中のみ開館) |
閉館日 | 冬期間 |
時代屋博物館
その昔、前町から山形町にかけて広い屋敷を構えていたのが、地元では“とがさかや”と呼ばれる十川酒店です。昔はまちなかにある酒造店の中でも大きな造り酒屋でした。今はお酒の製造はしていませんが、明治の雰囲気漂う店内で、代々保有している骨董品や立派なひな飾りを展示しながら、お酒の販売をしています。古き黒石をよく知る店主が昔のこみせの連なる写真から歴史を語ってくれます。
正式名称 | 十川酒店 |
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館長 | 宇野明子 |
開館時間 | 8:00~17:00 |
閉館日 | 不定休 |
アンティークおしゃれ館
お店にはいると水槽に入った亀がお出迎え。元気でユーモアたっぷりの館長 野戸谷早希子さんが、ウエルカム(かめ)の気持ちを込めて店先で育てています。明治時代は米問屋を営むかたわら、サイダーやラムネ、アイスクリームも製造・販売していましたが、現在は手作り小物や手芸・洋品、仲間が作った手仕事品などを取り扱っています。裏手の蔵は現在コンサートやフラダンス教室などのイベントに活用されていますが、お店、蔵ともに代々使われていた欄間や金庫などを上手にディスプレイし、古いものに囲まれながら人々との交流の空間づくりをしています。
正式名称 | おしゃれの店ノーブル |
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館長 | 野戸谷早希子 |
開館時間 | 10:00~18:00 |
閉館日 | 原則日曜日 |
黒石の職人技を知る
ユビワ工房
金には金を、プラチナにはプラチナを溶かし込んで溶接する“共付け”という技法を用い、指輪のつなぎ目が割れてしまうことを防ぐという高度な技を今でも守り続ける工房。指輪本体の金属が溶けないよう一瞬のタイミングで炎を操る確かな技術が要求されるため、“共付け”ができる職人は多くありません。共付けを使いフルオーダーメイドで指輪をつくりあげる、日本でも稀有な職人がいる工房です。
正式名称 | 山口ユビワ加工所 |
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館長 | 山口正人 |
開館時間 | 9:00~18:00 |
閉館日 | 不定休 |
ボッコ靴工房
ボッコ靴とは、その昔雪国で愛用されていた、ゴム製の長靴のことです。天然ゴムを使い、すべて手作りで仕上げる独特の長靴は、どんな寒さでも足が冷たくならないのが最大の特徴。冬にりんごの木の“枝切り”という作業がある、りんご農家には、特に重宝されてきました。しかし安価な大量生産品におされ、昭和の終わり頃には姿を消してしまいます。その幻の長靴を復活させたのが館長の工藤勤さん。家業の靴屋でボッコ靴を作っていた数少ない老職人から一から教わり、平成17年、見事に甦らせました。ボッコ靴を作っているのは、日本でここだけです。
正式名称 | Kボッコ |
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館長 | 工藤勤 |
開館時間 | 9:00~18:00 |
閉館日 | 不定休 |
3か所の火の見やぐらを巡る
山形町 火の見やぐら館
昭和21年(1946年)の木造建築で屋根上部に洋風の火の見やぐらを設え、一階は消防倉庫、二階は詰所になっています。やぐらの外壁、棟飾りなどに当時の洋風建築の雰囲気を残し、詰所内部の造りも当初のままです。半鐘は窓外に吊り下げられ、傍らにはホース干し用の簡易やぐらも併設されています。 正面上部の外壁にある水のレリーフが印象的なこの建物は、2001年に黒石市で開催された日本初の“火の見やぐらサミット”でも、数少ない屯所建築の遺構として紹介されました。
正式名称 | 第一消防部屯所 |
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開館時間 | ― |
閉館日 | ― |
元町 火の見やぐら館
大正9年(1920年)の木造建築で、黒石市内に残る望楼付き消防屯所の中では最古のものです。一階はポンプ車などを収納する消防倉庫、二階は詰所になっています。やぐらへの階段は大変狭く急勾配、半鐘は望楼内部にあります。正面部分は一時アルミシャッターやサッシに変えられていましたが、地域の人々の熱意によって史料に沿った木製扉に復元されました。
正式名称 | 第二消防部屯所 |
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開館時間 | ― |
閉館日 | ― |
甲徳兵衛町 火の見やぐら館
大正13年建設。木造2階建ての上部に火の見やぐらを設け、正面の装飾や望楼の屋根に近代建築の意匠を取り込んでおり、大正期のレトロな雰囲気を感じさせる建物です。中には現役としては日本最古の消防車、半鐘の叩き方を表す木製プレート、まとい、カギ、ヘルメット、消防団員が待機する囲炉裏のある和室などが当時のまま残されています。一人で登るのがやっとの狭い階段を上がれば、市内をぐるりと見渡せるやぐらの最上部へ。中に入れなくても、この外観は一見の価値ありです。
正式名称 | 第三消防部屯所 |
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開館時間 | ― |
閉館日 | ― |
歴史的建造物を巡る
国文化財 高橋家
ひときわ高い風格を醸し出す建物は、国指定重要文化財に指定されている高橋家です。藩政時代は米殻を扱う黒石藩御用達の商家でした。風情のある建物は、藩の要人がお忍びで通う月見の窓を有した隠し部屋や、米蔵、味噌蔵、文書蔵が今もそのまま残っています。現在は14代当主 髙橋幸江さんが喫茶店を営み、晴れた日は隣接する庭園で、黒石のおいしい水で煎れたお茶やコーヒーをいただくことができます。
正式名称 | 高橋家住宅 |
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館長 | 髙橋幸江 |
開館時間 | 9:00~17:00 |
開館期間 | 4月下旬~11月中旬頃まで |
閉館日 | 不定休 |
明治土蔵館
戦前の昭和14年から、荒物屋、肥料屋を営んでいる山田肥料店。建物はさらに明治までさかのぼり、築100年以上の歴史があります。津軽地方では珍しい、観音開きの重厚な扉を有する、造形美にすぐれた土蔵は、今でも変わらず利用されています。
正式名称 | 山田肥料店 |
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館長 | 山田智子 |
開館時間 | 8:00~17:00 |
閉館日 | 日曜、祭日 |
三十三観音めぐり
保福寺参道にある三十三観音は、西国三十三観音の写し霊場として、明治20年に建立されました。西国三十三観音は平安末期に開創され、四国八十八ヶ所に次ぐ巡礼として全国各地に広まりました。写し霊場は、いろいろな事情で巡礼することができない人が、ここをお参りすることによって実際に巡礼したことと同じになるという、ご利益のある場所です。今でも観音様には誰ともなく花やお供えが手向けられ、古くから地元住民によって大切によって大切にされて来たことをうかがい知ることができます。
正式名称 | 保福寺 |
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館長 | 山口龍堂 |
開館時間 | 終日 |
閉館日 | 冬期間 |